詩篇57-59 ; ローマ4

詩篇

第57篇

57:1神よ、わたしをあわれんでください。
わたしをあわれんでください。
わたしの魂はあなたに寄り頼みます。
滅びのあらしの過ぎ去るまでは
あなたの翼の陰をわたしの避け所とします。
57:2わたしはいと高き神に呼ばわります。
わたしのためにすべての事をなしとげられる神に
呼ばわります。
57:3神は天から送ってわたしを救い、
わたしを踏みつける者をはずかしめられます。〔セラ
すなわち神はそのいつくしみとまこととを
送られるのです。
57:4わたしは人の子らをむさぼり食らうししの中に
横たわっています。
彼らの歯はほこ、また矢、彼らの舌は鋭いつるぎです。
57:5神よ、みずからを天よりも高くし、
みさかえを全地の上にあげてください。
57:6彼らはわたしの足を捕えようと網を設けました。
わたしの魂はうなだれました。
彼らはわたしの前に穴を掘りました。
しかし彼らはみずからその中に陥ったのです。〔セラ
57:7神よ、わたしの心は定まりました。
わたしの心は定まりました。
わたしは歌い、かつほめたたえます。
57:8わが魂よ、さめよ。立琴よ、琴よ、さめよ。
わたしはしののめを呼びさまします。
57:9主よ、わたしはもろもろの民の中であなたに感謝し、
もろもろの国の中であなたをほめたたえます。
57:10あなたのいつくしみは大きく、天にまで及び、
あなたのまことは雲にまで及びます。
57:11神よ、みずからを天よりも高くし、
みさかえを全地の上にあげてください。

第58篇

58:1あなたがた力ある者よ、
まことにあなたがたは正しい事を語り、
公平をもって人の子らをさばくのか。
58:2否、あなたがたは心のうちに悪い事をたくらみ、
その手は地に暴虐を行う。
58:3悪しき者は胎を出た時から、そむき去り、
生れ出た時から、あやまちを犯し、偽りを語る。
58:4 58彼らはへびの毒のような毒をもち、
魔法使または巧みに呪文を唱える者の声を聞かない
耳をふさぐ耳しいのまむしのようである。
58:6神よ、彼らの口の歯を折ってください。
主よ、若いししのきばを抜き砕いてください。
58:7彼らを流れゆく水のように消え去らせ、
踏み倒される若草のように衰えさせてください。
58:8また溶けてどろどろになるかたつむりのように、
時ならず生れた日を見ぬ子のようにしてください。
58:9あなたがたの釜がまだいばらの熱を感じない前に
青いのも、燃えているのも共につむじ風に
吹き払われるように彼らを吹き払ってください。
58:10正しい者は復讐を見て喜び、
その足を悪しき者の血で洗うであろう。
58:11そして人々は言うであろう、
「まことに正しい者には報いがある。
まことに地にさばきを行われる神がある」と。

第59篇

59:1わが神よ、どうかわたしをわが敵から助け出し、
わたしに逆らって起りたつ者からお守りください。
59:2悪を行う者からわたしを助け出し、
血を流す人からわたしをお救いください。
59:3見よ、彼らはひそみかくれて、わたしの命をうかがい、
力ある人々が共に集まってわたしを攻めます。
主よ、わたしにとがも罪もなく、
59:4わたしにあやまちもないのに、
彼らは走りまわって備えをします。
わたしを助けるために目をさまして、ごらんください。
59:5万軍の神、主よ、あなたはイスラエルの神です。
目をさまして、もろもろの国民を罰し、
悪をたくらむ者どもに、
あわれみを施さないでください。〔セラ
59:6彼らは夕ごとに帰ってきて、
犬のようにほえて町をあさりまわる。
59:7見よ、彼らはその口をもってほえ叫び、
そのくちびるをもってうなり、
「だれが聞くものか」と言う。
59:8しかし、主よ、あなたは彼らを笑い、
もろもろの国民をあざけり笑われる。
59:9わが力よ、わたしはあなたにむかってほめ歌います。
神よ、あなたはわたしの高きやぐらです。
59:10わが神はそのいつくしみをもって
わたしを迎えられる。
わが神はわたしに敵の敗北を見させられる。
59:11どうぞ、わが民の忘れることのないために、
彼らを殺さないでください。
主、われらの盾よ、み力をもって彼らをよろめかせ、
彼らを倒れさせないでください。
59:12彼らの口の罪、そのくちびるの言葉のために
彼らをその高ぶりに捕われさせてください。
彼らが語るのろいと偽りのために
59:13憤りをもって彼らを滅ぼし、
もはやながらえることのないまでに、
彼らを滅ぼしてください。
そうすれば地のはてまで、
人々は神がヤコブを治められることを
知るに至るでしょう。〔セラ
59:14彼らは夕ごとに帰ってきて、
犬のようにほえて町をあさりまわる。
59:15彼らは食い物のためにあるきまわり、
飽くことを得なければ怒りうなる。
59:16しかし、わたしはあなたのみ力をうたい、
朝には声をあげてみいつくしみを歌います。
あなたはわたしの悩みの日にわが高きやぐらとなり、
わたしの避け所となられたからです。
59:17わが力よ、わたしはあなたにむかってほめうたいます。
神よ、あなたはわが高きやぐら、
わたしにいつくしみを賜わる神であられるからです。


ローマ

第4章

4:1それでは、肉によるわたしたちの先祖アブラハムの場合については、なんと言ったらよいか。4:2もしアブラハムが、その行いによって義とされたのであれば、彼は誇ることができよう。しかし、神のみまえでは、できない。4:3なぜなら、聖書はなんと言っているか、「アブラハムは神を信じた。それによって、彼は義と認められた」とある。4:4いったい、働く人に対する報酬は、恩恵としてではなく、当然の支払いとして認められる。4:5しかし、働きはなくても、不信心な者を義とするかたを信じる人は、その信仰が義と認められるのである。4:6ダビデもまた、行いがなくても神に義と認められた人の幸福について、次のように言っている、
4:7「不法をゆるされ、罪をおおわれた人たちは、
さいわいである。
4:8罪を主に認められない人は、さいわいである」。
4:9さて、この幸福は、割礼の者だけが受けるのか。それとも、無割礼の者にも及ぶのか。わたしたちは言う、「アブラハムには、その信仰が義と認められた」のである。4:10それでは、どういう場合にそう認められたのか。割礼を受けてからか、それとも受ける前か。割礼を受けてからではなく、無割礼の時であった。4:11そして、アブラハムは割礼というしるしを受けたが、それは、無割礼のままで信仰によって受けた義の証印であって、彼が、無割礼のままで信じて義とされるに至るすべての人の父となり、4:12かつ、割礼の者の父となるためなのである。割礼の者というのは、割礼を受けた者ばかりではなく、われらの父アブラハムが無割礼の時に持っていた信仰の足跡を踏む人々をもさすのである。4:13なぜなら、世界を相続させるとの約束が、アブラハムとその子孫とに対してなされたのは、律法によるのではなく、信仰の義によるからである。4:14もし、律法に立つ人々が相続人であるとすれば、信仰はむなしくなり、約束もまた無効になってしまう。4:15いったい、律法は怒りを招くものであって、律法のないところには違反なるものはない。4:16このようなわけで、すべては信仰によるのである。それは恵みによるのであって、すべての子孫に、すなわち、律法に立つ者だけにではなく、アブラハムの信仰に従う者にも、この約束が保証されるのである。アブラハムは、神の前で、わたしたちすべての者の父であって、4:17「わたしは、あなたを立てて多くの国民の父とした」と書いてあるとおりである。彼はこの神、すなわち、死人を生かし、無から有を呼び出される神を信じたのである。4:18彼は望み得ないのに、なおも望みつつ信じた。そのために、「あなたの子孫はこうなるであろう」と言われているとおり、多くの国民の父となったのである。4:19すなわち、およそ百歳となって、彼自身のからだが死んだ状態であり、また、サラの胎が不妊であるのを認めながらも、なお彼の信仰は弱らなかった。4:20彼は、神の約束を不信仰のゆえに疑うようなことはせず、かえって信仰によって強められ、栄光を神に帰し、4:21神はその約束されたことを、また成就することができると確信した。4:22だから、彼は義と認められたのである。4:23しかし「義と認められた」と書いてあるのは、アブラハムのためだけではなく、4:24わたしたちのためでもあって、わたしたちの主イエスを死人の中からよみがえらせたかたを信じるわたしたちも、義と認められるのである。4:25主は、わたしたちの罪過のために死に渡され、わたしたちが義とされるために、よみがえらされたのである。


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